
貿易業・貿易会社において、外国籍の方を雇用したいけれど、手続きのことがわからない…
どのような書類が必要で、手続きの手順はどうしたらいいのだろう…?など、
外国人雇用についてお悩みでしょうか?
この記事では、貿易業・貿易会社で外国人を雇用する際に必要な「技術・人文知識・国際業務」の在留資格について、概要や取得条件、注意点などをわかりやすく解説します。
企業側にとっても、外国人雇用に関する正しい知識を持つことは非常に重要です。
ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください(^^)
在留資格取得の流れと「技術・人文知識・国際業務」について簡単に解説します!

外国人が日本の貿易業・貿易会社で働くためには、「技術・人文知識・国際業務」という在留資格、いわゆる就労ビザの取得が必須です。
まずは、在留資格取得の流れを以下にまとめました。
- 在留資格認定証明書交付申請・交付
- 就労ビザ申請・発給
- 入国と住民登録
“簡単3ステップ!”のように見えますが、実は「在留資格認定証明書交付申請」で必要となる書類の準備には細かい要件があります。
また、在留資格は主に次の3分野に該当する業務に従事する外国人に認められています。
- 技術:IT、工学、自然科学分野などの専門職
- 人文知識:法学、経済学、社会学など文系分野の専門職
- 国際業務:語学指導、通訳、貿易業務など国際性を活かす業務
申請に必要な書類と要件
続いて、必要な書類について以下にまとめました。
(1)申請人(外国人本人)側の提出書類
- 在留資格認定証明書交付申請書(法務省所定様式)
- 履歴書(写真付き)
- 卒業証明書(原本またはコピー+翻訳)
- 成績証明書(専攻確認のため)
- 職務経歴書(過去の勤務先や業務内容)
- パスポートのコピー
- 顔写真(縦4cm×横3cm)1枚
- 専門資格や語学資格の証明書(該当する場合
(2)受入企業側の提出書類
- 勤務条件(給与・業務内容・就労時間など)が明記された雇用契約書の写し
- 法務局発行、3ヶ月以内の登記事項証明書(法人登記簿謄本)
- 会社案内またはパンフレットなど、業務内容・事業内容が分かる資料
- 経営の安定性を証明するための決算書の写し(直近の損益計算書・貸借対照表)
- 税務署提出済の給与支払事務所等の開設届出書の写し
- 外国人が担当する業務の詳細・専門性・担当範囲などがわかる職務内容説明書
- 申請人のポジションが明記された組織図
- 業務の具体的な流れと担当範囲がわかる業務フロー図
- 研修制度やキャリアパス制度がある場合、説明資料
(3)学歴・職務内容の整合性を証明する補足書類
- 専攻内容が確認できる学部・学科のカリキュラム表
- 業務と学歴の対応関係を説明した書面(自由形式)
- 過去の職務での業務内容説明書(特に実務経験10年以上の場合)
- 同業他社の求人情報など、類似ポジションでの採用事例
- 語学力を活かす業務であることの証明資料(海外取引履歴・英語メール対応例など)
- 外国人向け社内マニュアル、指導体制の説明書
補足として、
- 書類は原本または原本に相当するコピーを用意する
- 外国語書類(卒業証明書・成績証明書など)は翻訳者名明記した日本語翻訳を添付する
- 書類の不備・不整合は追加資料の要求または不許可につながるため、丁寧かつ一貫性を持たせて準備する
上記の通り、たくさんの書類を準備する必要があります。
少し、大変そうな印象が濃くなってしまったでしょうか…。
就労ビザ取得には具体的な条件がある!

ビザ取得で最も重要なのは、「学歴・経験」と「職務内容」の整合性です。
申請者の学歴や実務経験が職務と一致していなければ、たとえ高い学歴や経験があってもビザが許可されないことがあります。
入管当局は、職務と申請者の背景が合理的に結びついているかどうかを重視します。
要件1 学歴要件
原則として、大学・短大・認可された専門学校を卒業していることが求められます。
また、学んだ分野と実際に従事する業務内容との関連性が審査で重視されます。
大学・大学院卒業の場合
- 4年制大学または大学院を卒業していること
- 専攻分野と従事予定の業務内容に関連性があること
- 貿易業務の場合、経済学・商学・経営学・国際関係学・語学などの専攻が有利です
大学で国際関係学や経営学、経済学などを学び、貿易会社で輸出入管理や海外取引業務に従事する場合、ビザ取得は比較的スムーズです。
短期大学・専門学校卒業の場合
- 2年制以上の教育機関を卒業していること
- 専攻と職務内容の強い関連性が求められます
- 専門学校の場合、文部科学大臣が認定する「専修学校の専門課程」である必要があります
専門学校卒業者については、「専修学校の専門課程(文部科学大臣認定)」であり、かつ専攻分野が就業予定の業務に関連している必要があります。
高校卒業または同等レベルの場合
- 学歴が大学卒業に満たない場合、10年以上の実務経験が必要です
- 経験は従事予定の業務と同種の職務経験である必要があります
- 企業が発行する職務証明書や就業証明書などの客観的な資料が必要です
高校卒業後に10年以上、輸出入業務・貿易事務などに従事した経験があれば、在留資格申請の対象となる可能性があります。
要件2 業務内容との整合性
- 職務内容説明書を詳細に作成(具体的な業務内容を記載)
- 学歴・専攻と業務のつながりを文章で説明
- 業務フローや組織図を添付し、専門性を可視化
- 職務に必要な知識・スキルと学習歴を対応させる説明
「何を学び」「どのような専門業務に従事するのか」という関係性を明確にし、業務の専門性と申請者のバックグラウンドが一致していることを客観的に説明することが、ビザ取得において不可欠です。
注意点として、ブルーカラー業務(主に肉体労働)や単純労働呼ばれる職種は、特別な専門知識や判断力を必要としない業務であるため、この在留資格の対象外です。
申請書の記載ポイント3つ

ここで、押さえておきたい3つの記載ポイントをご紹介します!
(1)業務内容は具体的かつ詳細に記載
「事務」などの抽象的な表現は避け、具体的な業務フローや使用言語、責任範囲などを明記する。
(2)学歴・職務経験との関連性を明確に説明
専攻科目と職務内容がどうつながっているか、論理的に記載する。
(3)専門性の高い業務であることを強調
単純作業ではなく、知識・語学・判断力を要する業務であることを伝える。
申請成功率を高める3つの対策

- 学歴・職務内容の関連性を強化
申請においては、学歴の専攻内容と実際に従事する業務との対応関係を丁寧に説明することが求められます。
- 企業側の受入体制の整備
外国人の就労ビザ申請を成功させるためには、企業側がしっかりとした受入体制を整備していることを明確に示す必要があります。
(3)書類の充実と裏付け資料の添付
申請者が担当する業務については、日常的な業務の具体例を盛り込んだ職務内容説明書を作成し、職務の専門性や範囲を明確に記載した裏付け資料を添付します。
ここまでの内容で、既に「手間だな」と感じる方が居るかもしれません。
しかし、在留資格の申請を怠ってしまうと外国籍の方は不法滞在となってしまい、強制送還や罰金などの処罰が生じますので、必ず期限内に申請をする必要があります。
処罰は、申請者へ将来の在留資格取得に悪影響を及ぼすだけではなく、雇用主も不法就労助長罪に問われる懸念があります。
したがって、外国籍の方を雇用する場合には、必ず在留資格の申請をしなければなりません。
よくある不許可理由と対策を4つご紹介します!

最後に、よくある不許可理由と対策のご紹介です。
以下の点が原因で不許可となることが多いため、事前にしっかり対策を講じましょう。
業務内容と学歴のミスマッチ
- 例:文学専攻の卒業生が貿易会社で経理を担当
- 対策:関連性を文書で説明し、職務内容の補足資料を添付
単純労働とみなされる業務
- 例:倉庫作業、荷物仕分け、配送補助など
- 対策:外国人が担うのは管理業務や語学・交渉が必要な業務であることを明確に記載
給与が不適切
- 例:最低賃金すれすれの給与設定
- 対策:日本人と同等またはそれ以上の給与を提示し、業務の専門性に見合った水準を提示
企業の安定性に対する懸念
- 例:資本金が極端に少ない、赤字続きの決算
- 対策:財務改善・収支計画・事業計画書などを用意して説得力を高める
適正なビザ取得には、給与水準が重要です。
なぜなら、日本人と同等以上の給与が求められており、極端に低い場合は「適正な就労環境がない」と判断され、許可されないことがあるからです。
たとえば、最低賃金を下回る、あるいは同職種の日本人と著しく差がある給与は問題視されます。
そのため、外国人にも適正な待遇を設定することが必要です。
まとめ|適正な知識と準備で、外国人と企業の双方にメリットを

いかがでしたでしょうか。
申請手順自体に複雑な点はあまりないですが、必要書類の内容に求められる要件が多く、準備に対し気が進まないと感じる方も多いかもしれません。しかし、グローバル化が進む現代において、日本の貿易業界でも外国人材の需要が高まっています。
輸出入業務や海外企業との取引、語学力や国際的な感覚を持った人材の活躍が期待されており、コスト削減や助成金活用、人手不足を解消できるといったメリットもあります。
複雑な手続きには行政書士など専門家のサポートも効果的です。
適正な知識と十分な準備をもって臨むことで、外国人と企業の双方にとって有益な雇用環境を築くことができるでしょう。
正しい理解と手続きを通じて、外国人材の活躍の場を広げてグローバル化を推進してみてはいかがでしょうか(^^)/
